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腰痛に対する考え方と治し方・改善方法
【目次】
急性の腰痛と慢性の腰痛
腰痛は、様々な原因によって引き起こされていきます。
先天異常や側弯症、腰椎分離症など主に成長に伴っておこるもの、変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変性すべり症など主に加齢により生ずるもの、腰椎骨折や脱臼などの外傷、カリエスや化膿性脊椎炎などの感染や炎症によるもの、転移癌などの腫瘍によるものなどがあります。
腰痛には、症状の起こり方で急性と慢性のものがあります。
急性の腰痛は、重いものを持ち上げたり、腰を捻ったときに突然現れる痛みで、痛みによって動くことができなくなります。
一方、慢性的な腰痛は、少なくとも6ヶ月以上続く腰痛です。
急性の痛みによる炎症が治っても痛みが残り、慢性的に続くようになったものをいいます。痛みを引き起こす原因として、主に腰椎の疾患が関係しますが、悪い姿勢、運動不足、肥満などの生活習慣も、痛みが治らない要因となります。また、痛みが慢性的に続くことによって、痛み刺激を受けた脳が興奮状態となり、痛みの原因が治ったとしても慢性的な痛みに移行してしまうこともあります。
原因が分かる腰痛と分からない腰痛
腰痛の原因となる代表的なものとしては、ぎっくり腰に代表される「腰椎捻挫」、腰椎が直接障害される「腰椎圧迫骨折」や「腰椎分離症」、腰椎と腰椎の間にある椎間板に負担がかかり発症する「腰椎椎間板ヘルニア」、腰椎が変形して骨の中を通る神経が圧迫される「脊柱管狭窄症」などがあります。レントゲン検査で検出することができ、C TやM R I検査を行うことで、原因を同定していくことができます。
腰椎そのものには問題がないけれど、腰の周囲にある臓器や神経が刺激されたことで腰に痛みが現れてくるものもあります。ガンによる痛みやガンが骨転移したことでの痛みのほか、細菌感染、膵臓の炎症、子宮筋腫、尿管結石などによっても痛みが引き起こされます。
一方で、検査をしても原因がはっきりしない痛みは、レントゲンやM R I検査では異常が検出されない痛みです。筋肉や筋膜、靭帯などの炎症が関係していると考えられていますが、悪い姿勢や運動不足などの生活習慣、精神的なストレス、抑うつや不安感などによっても痛みは引き起こされ、いくつかの要因が重なり合って発症するので、腰だけを調べても原因がはっきりしないのです。
そして、原因を調べてもはっきりしないことが、さらに不安感を増大させ、痛みからの回復を遅くする可能性があると考えられています。
腰痛の問題は、悩んでいる方が多いにも関わらず、医療機関で検査をして原因がはっきりと特定できるものと、原因が分からないものがあることにあります。
しかも過去の研究によると、原因を特定できるものはおよそ15%程度といわれ、残りの85%はレントゲンなどの医学的な検査を行っても、原因が特定できないのです。
筋肉や骨格だけでない腰痛の原因
腰痛には、腰椎そのものに原因がある場合と、腰椎には問題がないにもかかわらず、腰周囲の神経への刺激によって痛みが出てくる場合があります。腰痛というと、整形外科で扱う筋肉や骨格の痛みばかり考えてしまいますが、痛みの原因が筋肉や骨格にはない腰痛もあります。
その中でも猛烈な強さの腰痛を訴えてくるものがあります。尿管結石の痛みです。
突然に起きる腰痛のために動くことができなくなり、冷や汗や吐き気を伴うことも。あまりの痛さのため、救急車で運ばれることもあります。
尿管結石は、腎臓から尿を排出していく尿管に小さな結石がつまり、尿が出なくなり、痛みが現れてきます。その痛みは、通常の痛みとは比べられないほどの強い痛みです。結石によって尿管が傷つき、赤黒い血尿が出てきます。
尿管結石の痛みは、猛烈な強さにもかかわらず、通常の痛み止めが効くので、坐薬などによって痛みを止めることができます。そして、尿管に詰まった結石が動くと、痛みの場所も動き、結石の詰まりが取れると、突然痛みがなくなります。
尿管結石に次いで多いものに、腎盂腎炎があります。
腎盂腎炎は尿管を逆行して腎臓まで細菌に感染したことによって起きてきます。症状としては、腰痛とともに膀胱炎のような排尿時の痛み、発熱を伴うことも多くみられます。抗生物質を服用して細菌感染をコントロールすると、解熱し、腰痛も治っていきます。
腎臓以外にも炎症が起きると腰痛が引き起こされる臓器があります。膵臓です。
腰の痛みが続くと「膵臓ガンかも?」と心配される方がいますが、膵臓ガンによる痛みの場合、ガン細胞が腰周囲の神経まで浸潤している状態になり、絶えず痛みが続き、姿勢によって痛みが変わることもありません。食事も取れなくなっていきます。
膵臓で炎症が起きた膵炎でも、腰痛が引き起こされます。アルコールの摂りすぎや胆石が原因となり、腰痛だけでなく腹痛も現れ、食事をするたびに腹痛がひどくなるケースが多く、通常の生活を送れなくなります。
腎臓や膵臓以外にも、子宮や卵巣の炎症でも腰痛が起きます。「卵巣嚢腫」や「子宮筋腫」「月経困難症」などです。腰痛以外の症状として、下腹部の痛み、不正出血などが起きることがあるので、婦人科での治療が必要になります。
姿勢によって痛みが変わる腰痛
腰痛には、何もしない安静時に痛くなるものと、立ち上がったり動いたりしたときに痛くなるものがあります。また、ずっと同じ姿勢をしていると痛くなるものや、長時間歩くことによって痛くなってくるものもあります。
何もしていない安静時に痛くなる腰痛は、骨折していたり、重い病気が隠れていたりすることがあるので、検査をして原因を調べることが大切です。
一方、立ち上がったり、顔を洗うなどの動作や姿勢の変化によって出てくる腰痛は、筋肉や骨格アライメントに原因があります。
腰の周囲で体を支える筋肉が衰えていたり、左右のバランスが崩れ、骨格アライメントの位置が悪く(骨格アライメント異常)なると、股関節や肩甲骨の動きが悪くなり、関節の動きや柔軟性が減っていきます。日常生活の中では、重たい頭を支え続けていかなければいけませんが、動作や姿勢の変化によって緊張が生まれ、それによって負担がかかった部位に痛みの症状が起きてくるのです。
姿勢による腰痛の出方の違いには大きく2タイプあり、(1)前屈みで痛くなるタイプと、(2)体をのけぞらせた時に痛くなるタイプがあります。
① 前屈みで痛くなる腰痛
物を拾い上げようとしたときや体を前屈みにして立ち上がろうとしたときに痛くなるケースが多く、骨と骨の間にある椎間板に負担がかかり、痛みが引き起こされます。
腰椎の生理的な彎曲が少なくなり、骨盤は後傾している状態で、前屈みの姿勢になったときに椎間板に圧迫が生まれ、痛みが出てくるのです。猫背や悪い姿勢でデスクワークの仕事をしている人に多くみられ、腰を支える体幹の筋肉が弱っているケースもあります。
② 体をのけぞらせた時に痛くなる腰痛
高いものを取ろうとしたり、洗濯物を干そうとして腰を反ったときに痛くなります。
背骨の骨と骨の間にある関節である椎間関節に負担がかかって出てくる痛みで、加齢によって椎間関節が変形していたり、筋肉の柔軟性が少なくなり、股関節や肩甲骨の動きが悪くなって、体をのけ反ったときに腰に過剰に負担がかかり、痛くなると考えられています。
これらの姿勢の変化によって腰痛が引き起こされるケースは、動作によって結果的に腰に負担がかかり腰痛が引き起こされているので、腰回りをマッサージしても症状が改善せず、かえって痛みがひどくなることもあります。
ギックリ腰を繰り返してしまう
ギックリ腰は腰椎捻挫や急性腰痛症といわれ、腰の筋肉や腰椎の関節が損傷し、炎症が起きた状態をいいます。
重たいものを持ちあげた時やくしゃみをした時、立ち上がろうとした瞬間、ゴルフやテニスなどの運動中に姿勢を変えようとした時などに、「グキッ」と腰に激しい痛みが起きてくることがあります。とても強い痛みのため動くことができなくなり、立ったり座ったりする日常の動作がままならなくなり、ひどくなるとベッドに横になって安静にして過ごすことになります。
どうしてもやらなければいけない用事や仕事があり、動かなければいけない時は、コルセットをして、痛み止め薬を飲むと、なんとか動けるようになります。動けるといってもロボットのようにぎこちない動きで、以前のようにスムーズに動くことはできません。
それだけひどい痛みのギックリ腰ですが、安静にして数日しているとだんだん痛みが引いていき、動けるようになります。
ギックリ腰は、痛みのために日常生活に支障をきたすので、できるだけ早く痛みを止めようとして針やマッサージをすることがあります。しかし、痛みのある箇所や緊張が強い腰をマッサージしたり針を打ったりすると、余計に痛みが増します。腕のいい治療家は、急に起きた痛みがある箇所は触らずに治療をしていきます。
また、一度ギックリ腰を起こすと、繰り返してしまう方がいます。ギックリ腰はクセになるのです。ギックリ腰をする方の多くは、姿勢が悪く、猫背になり、背中の筋肉が緊張し硬くなった状態で生活しています。
骨格アライメントを調べると、骨盤は後傾し、首の動き(可動性)も低下し、肩甲骨と股関節の動きが悪く、腰に負担のかかる動きを日常的にしています。また、運動不足だったり、日常生活では決まった動作ばかりしている生活習慣の方が多い傾向にあります。
そして、体の左右のバランスは崩れており、重たい頭を負担なく支えられていないため、動作によって体のバランスが変化した時に柔軟に対応できず、腰に負担がかかり、ギックリ腰として痛みの症状が起きてくるようになるのです。
ギックリ腰を繰り返してしまう原因は、一時的に症状となる痛みが取れたとしても、痛みを引き起こす原因となる生活習慣が改善していないため。何かの拍子で繰り返してしまうことになるのです。
転倒や尻餅の後の腰痛
スノーボードで転倒したり、転んで尻餅をついた後から出てくる腰痛があります。
腰痛といっても、腰より下のお尻の辺りの痛みです。お尻の中心には逆三角形をした仙骨(背骨の下部にある骨)があり左右に広がる骨盤との間にある関節(仙腸関節といいます)の周囲が痛くなるのです。
仙腸関節とは、仙骨と左右に広がる骨盤(腸骨)の間にある関節で、仙骨の「仙」と腸骨の「腸」の頭文字をとってその名前がつけられています。骨盤の上にある体幹や上半身の重さを支えるため、いくつもの強固な靭帯によって支えられています。肩や股関節のように大きく動く関節ではありませんが、姿勢の変化によってわずか数mm程度動き、股関節の動きや体のバランスをとるために重要な働きを担っています。
転倒して尻餅をつくと、骨盤や仙骨、尾てい骨に強い衝撃が入り、仙腸関節の位置ずれ(骨格アライメント異常)が起きてきます。仙腸関節の位置ずれが起きると、周囲の筋肉や筋膜、靭帯に緊張が生まれ、痛み症状が現れてきます。
転倒した際の衝撃が強いと、稀に骨盤の中心にある仙骨や尾てい骨にヒビが入ったり、骨折することがあります。レントゲン検査をして見つかりますが、治療は安静にして痛みが引くのを待つことになります。
出産したあとに現れる腰痛も、仙腸関節の周囲に痛みが出ることが多く、出産によって恥骨をはじめとする骨盤が影響を受け、仙腸関節の働きが障害されることにより引き起こされてきます。痛みにより、腰が引けてしまい上手に歩けなくなり、ぎこちない動作になってしまうこともあります。安静にして骨盤を安定させるコルセットをつけて、骨盤周囲の筋肉の緊張を整えていくと痛みがだんだん治まっていきます。
仙腸関節周囲に現れる痛みのように骨格アライメント異常が大きく影響している痛みもありますが、筋肉の過緊張が原因で腰痛が起きてくることもあります。日中は痛くないにもかかわらず、夜寝ている時に痛くなる腰痛です。
痛みのせいで横になって眠れなくなり、痛みのために目が覚めてしまいます。膝の下に枕などを入れて膝を立てた状態にすると腰の痛みがラクになるので、膝に枕を入れたりして対応していきます。
この痛みは、体幹や骨盤周囲を支える腹筋、腸腰筋の左右バランスが悪く、緊張していることにより起きてきます。また、股関節や肩関節の左右バランスを悪く使っていることが多いため、体の使い方や癖を整えていくと腰痛を起こしにくくなります。
ストレッチや運動で余計に痛くなる腰痛
腰痛の原因には、悪い姿勢や運動不足などの生活習慣が関係していそうだからと、腰の痛みを改善するためにストレッチや運動をしようと考える方がいます。
ところが、腰が痛い状態でストレッチをして筋肉を伸ばしたり、運動を急に始めると、かえって痛みがひどくなることがあります。痛みが取れるはずなのに、痛みが取れるどころか症状がひどくなるのです。痛い箇所をマッサージして筋肉の緊張を緩めたらラクになるかと考えて、整体やマッサージ院に行って揉んでもらうと、さらに症状が強くなることもあります。
腰痛の原因には悪い姿勢や体の使い方が関係していますが、運動の仕方や体の使い方によっては、体に余計な緊張を生み、負担をかけてしまって痛みを引き起こしてしまうことがあります。腰まわりの筋肉が緊張してしまった原因がほかの部位にある場合は、緊張した筋肉をマッサージすると一時的に症状がラクになっても、翌日には揉み返しがきたり、刺激によって痛みの症状がさらに強く出てしまうことになります。
悪い姿勢や体の使い方を変えていき、腰まわりの筋肉の緊張やバランスを整えていくことができると、腰痛は改善していきます。
特に、前屈みになったり、腰をのけ反ったり姿勢を変えることによって起きてくる痛みは、体の使い方を整えていくことによって症状が改善していきます。
前に屈んだ時に現れてくる腰痛は、骨盤や腰椎が後傾して、背中は丸く猫背になっているケースが多く、背筋が弱っています。背筋を鍛えて腰が立つようになると、腰への負担が減り、腰痛が出なくなっていきます。後方に体を反ったときに痛くなる場合は、腹筋を鍛えていくと体幹のバランスが整い、腰に痛みが出にくくなります。
痛み止めを飲んでも改善しない腰痛
腰痛の原因のうち、腰椎そのものに問題があるケースはおよそ15%、残りの85%は腰椎そのものには問題がないと考えられています。腰痛の原因が腰椎にないといっても腰が痛いと生活に支障をきたすので、痛み止め薬や湿布薬を使っていきますが、薬を使っても痛みが改善しないことがあり、腰痛の悩みを深くしています。
腰痛に対して使われる薬は、ロキソニンやボルタレンなどの消炎鎮痛作用のある痛み止めや、その成分を含んだ湿布薬です。痛み止めであるロキソニンなどの消炎鎮痛剤は、長期間使っていくと胃の粘膜を荒らす原因になり腎臓に負担がかかることがあるので、痛みとの戦いが長期戦になりそうな時は、体に負担がかかりにくい別の種類の薬も開発されてきています。
解熱剤としてよく使われるカロナール(薬品名はアセトアミノフェン)もよく使われます。
カロナールは、内服量を増やすと効果の持続時間が長くなるので、痛みが取れない時は、内服量を増やしていきます。カロナールは肝臓で解毒するので、長期間飲むと腎臓ではなく肝臓に負担がかかるようになります。
腰痛に対しては、座薬も効果があります。座薬は肛門から入れて使うため腸からすぐに吸収され、比較的早くに効果が出やすいですが下痢をすることがあります。
消炎鎮痛剤で痛みが取れないときは、さらに強力な痛み止めを使っていきます。
オピオイド系という、モルヒネなどの麻薬ではないけれど強力な効果がある痛み止めです。
脳内でセロトニンやノルアドレナリンの取り込みを阻害することで効果を発揮します。
トラマールやカロナールと合わせた合剤であるトラムセットがあります。
また、腰痛が続くと、慢性的な痛み刺激によって脳が緊張していき、脳の働きに問題が起きてくると考えられています。そのため、抗うつ薬として使われるサインバルタはセロトニンなどの取り込みを抑えることにより鎮痛効果が期待できるため、腰痛の治療薬としても使われるようになっています。
痛みを抑える薬を飲んで効くと、症状は一時的にラクになりますが、薬効が切れると再び痛くなります。あくまでも「ただ症状を抑えているだけ」だからです。痛み止め薬によって症状が緩和している間に、痛みを引き起こす原因を改善していくと、腰痛に悩まされなくなっていきます。
腰痛の原因が脳の働きにある
腰に痛みを感じると、腰の検査をして原因を調べますが、レントゲンやM R I検査をしても異常が見つからないことが多々あります。一方で、画像検査をして腰部に椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄があったとしても、腰痛を感じないこともあります。
原因を調べてもはっきりしない腰痛は、痛みを感じたり痛みを抑えたりする脳の働きの異常が関係していると最先端の研究では考えられています。
怪我をして皮膚に傷がつくと、傷ついた皮膚の周囲にある神経繊維から電気信号が脊髄を通って脳に送られていきます。そして、皮膚や筋肉が傷ついたと脳が認識して初めて痛みを感じるようになります。また、痛みを伝える神経が途中で障害されると、神経の働きが異常になり、痛みやしびれを感じるようになります。そして、脳内でも痛みの伝達に異常が起きると、痛みを過敏に感じてしまうことがあります。
脳内では、痛みを感じると無意識にドーパミンという伝達物質が放出されます。ドーパミンにより、痛みを抑える物質オピオイドが放出され、痛みの伝達を抑えていきます。
ところが、精神的なストレスや、抑うつや不安という状態が長期間続いていると、脳内ではドーパミンの分泌が抑制され、痛みを抑える物質であるオピオイドの放出も抑制されていくことが知られています。痛みを抑制するオピオイドが放出されないと、痛みを抑えていくための体に備わる仕組みが働きにくくなり、痛み刺激を過敏に脳へ伝えるようになっていくようになります。
痛み過敏な状態では、本来であれば感じないような刺激に対しても痛みを感じ、さらに強く痛みを感じてしまうようになります。痛みのために体を動かさなくなり、さらに腰痛が悪化していきます。
痛みが治らないことを悩み、不安感が強くなり、抑うつ状態となり、さらに痛みが治りにくくなっていく痛みの悪循環にはまっていくのです。そのため、腰痛の治療に抑うつや不安を改善する抗うつ薬や抗不安薬を使う治療も行われるようになっています。
痛みを抑えるオピオイドを放出するドーパミンは、痛みの刺激だけでなく、気持ちよさや快楽、報酬の期待によっても放出されます。心地よい香り、好きな音楽や映像、好きな食べ物を食べることなどによっても放出されます。不安や抑うつ、ストレス対策だけでなく、楽しんだり喜ぶことが脳への刺激になり、痛みの改善に役立つのではないかと考えられています。
細野クリニックの腰痛治療
骨格アライメント異常の診断
細野クリニックでは、まず腰痛の原因となる骨格アライメント異常を診断し治療を行っていきます。診断は骨格アライメントドックという専門的な検査が必要になります。
また、受診される前に治療について痛み外来の無料説明会を行なっております。詳しくはこちらをご覧ください。
骨格アライメントドック
レントゲン撮影の技術を用いて行う骨格アライメント異常の診断と骨格の可動性の診断を行います。
単純撮影とダイナミック撮影(透視撮影)を組み合わせることにより、外見や触診だけでは大まかにしかわからない、骨格アライメント異常(骨格配列の異常や損傷の程度)や骨格の可動性を詳細に診断することができます。
痛みを治す骨格アライメント治療
当院では、痛みの原因となる骨格アライメント異常を治療し、筋緊張を改善し、腰痛を治していきます。
骨格アライメント異常を治す治療であるPANセラピーは、医学的な共鳴振動刺激を用いて行います。医療機器によってコントロールされた非侵襲的な振動刺激による治療のため、振動刺激に再現性があり、安全に治療を行うことができます。治療により骨格アライメント異常が改善し筋緊張を低下していくと、骨格アライメントの隙間から末端の筋肉や組織へ分布していく神経の緊張と圧迫が改善していくため、痛みや痺れの症状が軽減し消失していきます。
骨格アライメント治療は、まず痛みを感じ体の緊張をコントロールしている脳から治療を始めます。振動刺激により脳の緊張がとれ始めると、体の筋緊張も取れていきます。腰を触っていないにもかかわらず、左右の股関節の可動域が改善され始めていきます。症状が起きている腰を直接治療するのではなく、脳から刺激を始め、筋緊張を改善し体全体の関節の可動域を整えていくことにより、腰周囲の筋緊張や腰への負担が低減していき、腰痛を改善していきます。
また、骨格アライメント異常の改善により、体全体の筋肉の緊張が整い、バランスがよくなっていくため、前に屈んだり、腰をのけ反ったりするなど姿勢の変化によって現れてくる腰痛も改善していくことができます。さらに、治療により背骨(脊椎)の動き(可動性)が良くなっていくと、しなやかに体を動かせるようになっていき、体幹の筋肉のバランスも整っていきます。体を反らせたり、屈ませたりする動作をしても、だんだん痛みが現れなくなっていきます。
腰痛の治療効果を高める方法と再発予防
腰痛が軽度の方は、骨格アライメント治療により筋緊張が改善していくことで痛み症状が起きなくなり治癒の状態に導いていくことができます。中等度から重度の方は、治療していくことで辛い痛み症状が改善していきますが、再び痛みの症状が現れてしまう方も一部にいらっしゃいます。なぜなら、日常の生活習慣が腰に負担がかかる悪い状態のままだと、毎日の生活の中で腰に負担がかかり、症状が再発してしまうことがあるからです。しかし治療によって辛い症状が良くなっていった方は、治療を継続していきメンテナンス治療をしていくことで、再び痛み症状がぶり返さないようにしていくことは可能です。
腰に負担がかかる悪い習慣とは、姿勢が悪かったり、腰に負担のかかる体の使い方のことからきます。重たい頭(頭蓋骨)は起き上がった瞬間から、頭蓋骨の下の骨格構造で支えていかなければなりませんが、首や肩だけでなく腰に負担をかけながら支えなければならない状態によって引き起こされます。治療により腰の筋肉の緊張が取れたとしても、日常の悪い生活習慣によって再び腰に負担をかける位置で生活してしまうと、腰の筋肉は緊張し始めていきます。そして、重たい頭(頭蓋骨)を支えるときに、首や肩、腰に負担のかからない体の使い方を習慣にしていくことができると、治療効果を高めることだけでなく、再発を予防していくことも可能になるのです。
腰に負担のかからないような体の使い方をしていくために、独自にストレッチをし、ヨガなどでリラックスを導いていくことでも改善する方もいますが、当院では、骨格アライメント治療に併せて、運動療法で体の使い方の個別指導を行い、また体の使い方である生活習慣を変えていくオンラインプログラムをおすすめしています。骨格アライメント治療と併用していただくことで、治療効果の高め、再発の予防いくことが可能になります。
負担費用(自費治療)
◆ 9,460円/回・回数券(10回券):85,140円(消費税10%込)
PANセラピーによる痛み外来の治療をご希望の方には、痛み外来のコンセプトと治療内容をご理解頂くため、動画説明会(無料)へのご参加をお願いしております。痛み外来をご希望の方は、こちらの申し込みサイトにて、お名前・メールアドレスをご登録頂けますようお願い致します。
ご登録頂いたメールアドレス宛に、動画視聴についてのご連絡を1営業日以内に送らせて頂きます。
*痛み外来の対象年齢は、小学生以上となります。20歳以下の方は、動画視聴後の骨格アライメントドック検査には、保護者の方同伴でご来院頂けますようお願い致します。