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顎関節症治療プログラム
当院のかみしめ症候群・頭頸部外来では、かみしめによる開口時の痛みや開口障害の他、噛み合わせに不調を感じている方、噛み合わせに違和感を感じている方など、顎関節や頭頸部に関するすべてのご症状に対応します。
顎関節症の症状だけではなく、付随する症状(頭痛、頸こりや肩こり、耳の痛み(耳の詰まった感覚など)も治療対象としています。
かみしめ症候群とは?
顎関節症をはじめとするかみしめに由来する症状の総称です。
顎関節症の場合、顎関節自体に異常がる数パーセントを除いて、ほぼ全ての顎関節症が当てはまります。
顎関節症の他、かみしめによって起こる頭痛、肩こり、首こり、耳の痛みや違和感(なんとなく、ふらふらする、ふわふわするなど)、かみしめ症候群の症状は多岐にわたり、現在のスタンダードな医療ではその多くが完治しない症状です。
かみしめ症候群・頭頸部外来の治療方針(医科・歯科連携外来の共通治療方針)
1: 原則、薬(消炎鎮痛薬やボトックスなどの注射薬)を使用ぜずに治療します。
2: 不必要に歯を削ったり、抜歯したりしません。
3: 痛みや違和感を取り除き、症状が再発しないよう治療を行います。
原因が「顎関節」にはない顎関節症は意外と多い
かみしめ症候群・顎関節症は、かみしめにより顎関節や顎関節の周囲に障害が起きた状態で、顎関節周辺に何らかの異常がある状態を指します。
① 「顎(アゴ)が痛む」
② 「口が大きく開けられない」
③ 「顎(アゴ)を動かすと音がする」
このようなご症状が主とされていますが、これらの症状の原因が顎関節にあるとは限らないということはあまり知られていません。
顎関節そのものに異常がある場合、その原因として考えられることは、慢性関節リウマチや外傷のよる大きな衝撃(例えば、殴られた、交通事故にあったなど)による関節の変形・硬直、先天的な異常による関節の左右差などです。
顎関節に上記のような異常がある場合は、手術や矯正など侵襲的な治療が必要になりますが、顎関節そのものに異常があることは稀です。
骨格アライメント異常に原因がある場合
かみしめ症候群や顎関節症の原因は、顎関節そのものに異常はないものの、顎関節の位置ずれや噛み合わせのずれ、肩や頸の筋肉のこり、悪い姿勢、ストレスなど多岐にわたると考えられています。そのため、治療方法はマウスピースで症状を抑えたり、歯を削ってかみ合わせを変えたり、抗うつ薬や向精神薬などの服用するなど、様々なアプローチがおこなわれています。
しかし、原因を特定せずに治療をしてしまう例もあり、治療効果がある患者様とそうではない患者様に分かれてしまい、歯を削るなどの不可逆的な治療を行ったにもからわす症状が改善しない患者様の場合は、元の状態に戻すこともできず新たな治療方法を探し続けることになります。
また顎関節症を患っている方の多くに「噛みしめ」を認めます。そして「噛みしめ」はTCH(tooth contact habit:上下の歯の接触癖)が関係し、顎関節症状に大きく影響を及ぼすと考えられています。 そんな中、当院では顎関節症の原因として考えられている要因の※ほとんどが「骨格アライメント異常」にあると考え、治療を行っています。そしてまた、「噛みしめTCH」」も顎関節の過緊張に要因があり、過緊張してしまう要因を求めていくと、「骨格アライメント異常」にあります。
※顎関節症に対する矯正などの歯科治療歴がある例や、かみ合わせに大きな異常がある場合は歯科的原因がありますので、当院と提携している井出デンタルクリニックを受診してください。
骨格アライメント異常とは
骨格アライメント異常という言葉は聞きなれない言葉かもしれません。
当院では、様々な不快な症状を認める方は、身体に本来備わる正常な機能が発揮されていない状態にあると考えており、このような患者様には必ず骨格アライメント異常を認めています。かみしめ症候群や顎関節症を患っている方に関してもこれが当てはまります。
※顎関節そのものに変形・奇形等の異常がある方は除きます。
顎関節症で悩んでいる方の多くが、こめかみ(側頭筋)やあご(顎舌骨筋・顎二腹筋)やほっぺた(咬筋)の筋肉に疲れ(筋疲労)を感じていますが、これは骨格アライメント異常によって、位置異常がある状態で無理に使い続けたことによっておきた結果と考えることができます。
特にかみしめ症候群や顎関節症の場合、側頭筋、顎舌骨筋・顎二腹筋、咬筋の緊張の原因に、頭蓋骨や頚椎の位置関係、アライメント異常が関係すると考えられます。位置異常はのちほど述べますがレントゲンによる診断必要になります。
骨格アライメントドッグ
かみしめ症候群・頭頸部外来を受ける際は、必ず骨格アライメントドックの検査を受診する必要があります。
骨格のアライメント異常の詳細は外見から判断することはできず、正確な診断を行うために、妊娠の可能性がある患者様を除き、骨格アライメントドックの検査を必須とさせていただいております。
骨格アライメントドックの詳しい内容はこちらをご覧ください。
かみしめ症候群・頭頸部外来のPANセラピー
かみしめ症候群や顎関節症の症状が顕著に出ている患者様は、頭頸部にアライメント異常を認める方が多いのですが、その影響は胸椎や腰椎、骨盤にも影響している場合が多く、全身の骨格アライメントを整える治療が有効です。顎関節症に合併して(付随して)、頭痛や頸こりや肩こりを認めたり、耳のつまり感、耳鳴りやめまいなどの耳症状、腰痛などを認める例です。
骨格全体のアライメントを治療し整えるという概念は、他の痛み専門外来と共通事項です。起きている「症状」はあくまでも「結果」として起きていると考え、「原因」として骨格アライメント異常を治療しておきます。顎関節症状の患者様は特に頭頚部の緊張が偏っている傾向がありますので、重点的に頭頸部を治療するとともに、片方で噛む癖の改善の指導などを行います。
※矯正等の歯科治療歴があったり、偏りが顕著に見られる場合は提携の井出デンタルクリニックにて歯科の診察をお願いする場合があります。
医科と歯科の連携
医科と歯科が連携するという体制は、地域医療の新たな展開としても注目されていますが、まだまだその数は少ないというのが現状です。
私の出身母校である東京医科歯科大学では、医歯学部を有する国立大学として医歯学連携による研究も行われていますが、実際の診療レベルになるとまだまだ道のりは遠いと感じざるをえません。
日本の医療では、歯や顎関節は歯科の分野で、それ以外が医科の分野に分けられています。医科はより細分化され、病院やクリニックでは、通常「内科」「外科」「皮膚科」「整形外科」のような診療科ごとに分かれ診療が行われています。
この「細分化」は専門性を高めることに成功しましたが、一方で医師の技術は「狭く、深く」なってしまい、顎関節症のような原因が複合的で症状が多岐にわたる疾患や症候群には完全に対応できません。
ましてや医科と歯科となると学問上全く別物として扱われおり、医科の分野である内科と整形外科が連携をとるというレベルの話ではありません。医科と歯科はそれぞれ独自に進化を遂げているため、お互いの考え方を尊重するのが難しい状況にあるのです。
しかしその一方で、従来の治療法で寛解しない患者様をどう治すかということに本気で取り組んでいらっしゃる歯科の先生方もいらっしゃり、当院の実践する「統合医療」の考え方を理解いただける歯科の先生方が増えてきているのも事実です。
現代の細分化された医療は「木を見て森をみない」「病気をみて患者をみない」という批判の対象にもなっていますが、統合医療は、細分化された医療を再構築し、患者様をひとりひとり全体的に捉えたうえで診療加療を行っていきます。そして、原因が複合的であったり症状が多岐に渡り、通常の医療ではいくつもの診療科の先生の診察を受けなければいけなかったり、診察をうけたにも関わらず解決できない症状に対して解決方法を提示します。
そしてかみしめ症候群・頭頸部症状に対して、医科・歯科それぞれの分野から協力して統合医療を実現していこうという考えにいたり、医科と歯科クリニックの連携を始めました。
特に当院で連携している井出デンタルクリニックの井出徹院長は、当院の統合医療の考え方に理解を示している数少ない歯科のドクターであり、顎関節症・頭頸部症状に対する原因に関する考え・価値観を共有しています。それぞれ長年の経験に裏打ちされたアプローチ(歯科的なアプローチや医科的な治療法)からかみしめ症候群や顎関節症、ひいては付随する症状(頭痛、頸こりや肩こり、耳の痛み(耳の詰まった感覚)を改善していきます。
かみしめ症候群で悩み従来の医療では解決できなかった症状も、この医科と歯科の連携による統合医療的アプローチによる治療で症状が大幅に改善していく可能性があると考えております。
価格
かみしめ症候群・頭頸部外来PANセラピー 9,460円
◆ 回数券(10回)85,140円(消費税10%込)
かみしめ症候群・顎関節症の患者様のためのPANセラピーです。
身体全体の骨格アライメント異常を治療し、かみしめ症候群・顎関節症を治療します。