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姿勢の重要性

「姿勢が重要である」ということは誰もが認めることでしょう。
悪い姿勢を取り続けることで、肩こり、頭痛、腰痛、視力の低下、足がむくむなど、悪い姿勢が身体の不調の要因となることを、無意識に感じているからです。

姿勢と意識

「姿勢を正す」という言葉があるように、一般的には「姿勢は意識で変わる」と考えられています。
「良い姿勢が大切だから、足を組まないようにしましょう」と指導をするなど、生活の中で姿勢を正したり、足を組まないように意識するなどの対策は比較的容易です。
その一方で、「背筋を伸ばそうとしても伸ばせない」「伸ばせても維持できない」「顎を引いて胸をはろうとしてもできない」など、意識するだけでは、姿勢の改善や維持が難しい場合もあります。

実は姿勢には、「意識だけで変えられる場合」と、「意識だけでは変えられない場合」があるのです。

健康状態に大きな問題がない方は、意識するだけで良い姿勢を保つことができたと思いますが、体調不良や痛み症状などの問題を抱えている方が同じようにできるとは限りません。

特に、何らかの症状がある方ほど、意識しただけでは悪い姿勢を変えられない傾向にあります。

当院では、この原因が「意識しただけでは姿勢を変えられないため」だと考えています。

意識していない部位や、意識しても動かすことができない部位は存在します。

意識だけでは改善できない悪い姿勢を改善することや、痛みやしびれなどの不快な症状を改善するためには、この「意識できていない部位」や「意識できたとしても動かず変化しない部位を治療する必要があります。

正しい姿勢とは何か?

「正しい姿勢=背筋が伸びていること」とお考えの方も多いと思いますが、実はこの答は間違っています。

間違っているどころか、「見た目」だけで姿勢を判断することは、大きな誤診を招く危険を伴います。また「意識できない部位」や「意識しても動かず変化しない部位」の原因も、「見た目」のレベルではなく、「骨格」のレベルで診ていかないとわかりません。

骨格アライメントドックから正しい姿勢を診断

当院では「骨格アライメントドック」にて骨格の状態を診断しています。姿勢を骨格レベル(専門的には骨格アライメントといいます)から診断する専門的な検査です。

「正しい姿勢」を定義すると・・・

「頭蓋骨や脊椎、骨盤などの骨格構造が正常なポジションにあり、重力場で身体のホメオスタシス(恒常性)を維持していくために合目的な状態にあること」

少々難しい言葉になってしまいますが、正しい姿勢を医学的に定義すると、このようになります。

骨格構造が正しいポジションにあると、各関節は正常な動きをするため理想的な可動性を有した状態になります。関節が正常な可動性を有する状態だと、骨格の中から末端へ行きわたり身体の機能を司る神経系統の働きが正常に機能するため、不快な症状は消失するだけでなく、体調もよくなり、身体のコンディションがOptimal(理想的)な状態になります。

もう少し簡単に説明すると・・・

「身体がゆがむ」という言葉を聞いたことがあると思います。
全くもって医学的な表現ではありませんが、良い姿勢をわかりやすくする解説するためにあえてこの表現を使用します。

ゆがんだ体は、ただ姿勢が悪く見えるだけでなく、実は、首、肩、腰、膝といった各々の体の部位が本来の位置になく、関節の動きが悪くなっています。
「ただ動きが悪いだけ」で済めばよいですが、このまま生活を続けていることで、悪い位置で使い続けることになるため関節が傷み始めます。その結果、肩こりや頭痛、頚痛や腰痛などの痛みや、しびれなどの不快な症状が現れるようになっていくのです。

この「ゆがみ」を治した、良い姿勢を保つことができると、体の部位が本来の位置で使えるようになります。関節の動きは良くなり、身体の働きをコントロールする自律神経系統も正常に機能するので、結果として、不快な症状がなくなり、体調が良くなっていくのです。

「姿勢」がよいことは、見た目だけではなく、体調をよい状態で維持していくために必須のとある体のベースなのです。

姿勢が悪くなる原因は何か?

正しい姿勢かどうかを決めるものは、「骨格構造が正しい位置にあるかどうか」です。骨格構造が正しい位置から外れると、左右がアンバランスになり、見た目の姿勢として悪く見えるようになります。

骨格構造の位置が悪くなる要因は大きく分けて二つあります。

筋肉の過緊張

悪い姿勢で長時間仕事や運動をしたり、左右がアンバランスな動作を長時間継続すると、身体がこわばる、固まるといった感覚になると思います。
一般的には「こっている」という表現を使いますが、医学的にはこれを「筋肉の過緊張」といいます。
ちなみに、過度な精神的ストレスも身体全体の筋肉の過緊張を増長します。

筋肉の過緊張が原因で姿勢が悪くなっているのであれば、その症状が軽度であれば、休養をとり、十分な睡眠をとったり、軽いストレッチや、左右をバランスよく動かすエクササイズで、改善します。

骨格に外的な力が働く

骨格に外的な力が働き、位置ずれで姿勢が悪くなっている場合は、適切な診断と治療が必要です。

転倒やスポーツでの衝突(格闘技、ラグビー、アメフトなどのコンタクトスポーツ、サッカーのヘディングなど)交通事故などにより、骨格へ加速度を伴う外力が働いたときは、骨格構造は位置ずれをおこします。骨格構造の位置ずれに伴って、筋肉の過緊張も引き起こされますが、位置ずれを起こした骨格構造を良くしていかないと症状は改善しません。

初めての外的な力は産道

胎内から生まれる際の変形が位置ずれの原因の場合も自然分娩で生まれているのなら、「骨格に外的な力が働くことで起こる位置ずれ」は、母親の胎内から生まれる際に起こっています。

新生児は出産後、頭部は縦長に変形します。

新生児の骨格構造は、柔らかく発達段階であるため、母親の骨盤から出てくる際、狭い産道を通り、左右から外圧がかかるため大きく変形します。

この変形は人間が初めてうける刺激であるとともに、骨格構造の位置ずれにつながります。時間ともに円形の頭になっていくこと多いですが、頭の形がアンバランスな状態が続く場合は、「骨格に外的な力が働くことで起こる位置ずれ」が発生していると考えられます。

幼少期であっても位置ずれの可能性はある

さらに成長のプロセスで、骨格構造に様々な負担がかかる時期があります。
首が座る3か月、座り込む7,8か月、立ち上がる1歳など、姿勢が変わってくる時期は特に気をつけた方が良いでしょう。
また成長の最中に起こりがちな、頭をぶつける、転ぶ、しりもちをつくなどの外的な衝撃は、子供の骨格構造へ影響をもたらします。

幼少期の柔らかい骨格構造は、衝撃を吸収して、休息と十二分な睡眠で改善することが多いですが、改善しない場合には、様々な不快な症状やトラブルの要因となります。

小学生くらいの年齢で身体の関節がすでに硬くなっていたり、良い姿勢を維持できない場合は、骨格構造からくる問題を考慮にいれる必要があります。


医院名
細野クリニック
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診療科
皮膚科 内科 整形外科
院長
細野周作
提携病院
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